富山県水墨美術館
富山県水墨美術館の紹介をします。
この美術館は、平成11年4月に開館した、近代日本における水墨画の発展を展示するミュージアムです。所蔵作品は、富岡鉄斎や横山大観、竹内栖鳳など30名の作家の作品を揃えています。
建物の設計は、富山県建築設計監理協同組合の手によります。エントランスから展示室に伸びる廊下はガラス張りで、芝生の庭が見渡せるようになっています。また、エントランスの外には日本庭園が広がり、堀池があって風情のある景観を作り出しています。
展示室の一部には、日本の伝統的造作である床の間が取り入れられ、掛け軸から建物へ、建物から自然へと、美術品が自然と一体化した和風の美術館への志向が感じられます。美術を通じて県民の生活と文化の向上を図るとともに、芸術家と市民、富山県と世界の交流の場として機能することを理念としています。
春には、神通川河畔の桜並木が庭から展望でき、まさに自然と一体化した美術館になります。
富山に来たら、一度は訪れてみたい美術館です。
この美術館は、昭和56年に開館した富山県立近代美術館が前身です。富山県立近代美術館は、20世紀初頭から現代にいたるまでの美術の流れを、富山県からと日本国から、そして全世界からの三視点でグローバルに捉える意欲的な活動を行いました。
しかし、耐震的な構造や美術品の保管の技術的問題のため建て替え移転工事がお行われ、平成29年8月26日に富山県美術館としてリニューアルオープンします。
富山県近代美術館に関して言えば、ジョアン・ミロやマルセル・デュシャンと交友関係にあった富山市出身の美術評論家瀧口修造が美術館の構想に関わったことがよく知られており、その所有美術品は、ロートレックやパブロ・ピカソなど20世紀前半の巨匠や、ジョアン・ミロやサルバドール・ダリなどのシュールレアリズムの美術、アンディ・ウォーホルなどの戦後アメリカ美術などがあり、現代アートを判りやすく鑑賞できるよう常設展示されていました。
その前身の美術館が、新しく強化された器で再スタートする8月が待ち遠しい限りです。
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