身近な画廊・ギャラリーは無料のことが多いの「目」を磨くチャンス
身近な画廊・ギャラリーは無料のことが多いの「目」を磨くチャンス
身近な画廊・ギャラリーを覗いて、「目」を磨くっきゃない
アートを「見る」「観る」とくと念を入れて見る。という点について、ノウハウの細部を煮詰めていきたいと思います。
ここですることは、「美術をエンジョイする、あるいは、美術コレクションの基本は、あなた自身の目しかない」ということです。つまり、あなたのアートに対する鑑識眼、すなわち「観る目」を『開運なんでも鑑定団』の島田紳助のように磨くっきゃないということになります。
では、どうやって磨くのか?それには、テレビの「お宝探偵」ものや美術番組などで、「見えない橋」架橋の基礎工事を少しずつ心掛けてみたらどうでしょう。そのうちに、受け身で情報をキャッチするばかりでは満足できなくなって、もっと積極的に行動してみようという気になる時がやってくるはずです。
そうしたら、まず身近なギャラリー(美術画廊)を覗いてみたらいいと思います。
というと、「画廊やギャラリーって行きにくい」という反応もありそうです。確かにそうでしょう。ですから、ビギナーの美術ファンは、店員の目を気にしなくてもすむデパートヘ行くことが多いようです。
もちろん、最初はそれで結構です。デパートには、たいてい美術品売り場や画廊、あるいは大きな催事場があって、毎週何かの展覧会や催事をやっているのが普通です。新聞広告やチラシなどで、その案内を見て面白そうだと思ったら、億劫がらずに買い物のついでにでも覗いてみたらいいでしょう。最初は文字どおり「覗く」程度で結構です。
ただ、この場合、いわゆる「常設」といって、特別の企画展示のない場合はもちろん、比較的著名でないアーティスト(作家)の個展やグループ展、さらには、展示即売展などはほとんどが無料です。しかし、観客動員力のある有名作家や、海外や国内の美術館やコレクターなどの協力を得た大掛かりな企画展等は、有料のことが多いということを頭に入れておいてください。
日本のデパートは、最近軒並み大幅に売り上げが低下し、大手でも画廊を閉めたところもあります。相当見応えのある個展やグループ展、あるいは催事場での大きな展覧会の企画などに巡り合うこともできます。大方の空気が、不景気で美術どころではないと、ゆとりをなくしている時期に、閑散とした画廊をちょっと覗いてみるといいでしょう。じつは、出品作家や関係者、あるいはデパート美術部担当者たちにとっては、無料だから「覗く」だけのあなたも、画廊入場者の「一票」。ありがたいお客様、または顧客候補、美術愛好家と受け取られるはずです。
画廊では、個展や企画展の場合など、入り口に署名簿が置いてあるのが普通。ものおじせず、住所氏名を書いておくと、たいてい、その後、展覧会の通知をくれるようです。
いずれにせよ、店員の視線が比較的気にならない、デパートの画廊に足を運んでみてください。運がよければ、個展のオープン初日など、新聞、雑誌、テレビなどで顔を知っている有名アーティストをチラリと見られるチャンスがないでもありません。
また、展覧会の会場には、無料の個展、あるいは展示のパンフレット類が置かれているので、かならず頂戴して、後日のためにスクラップしておくといいでしょう。また、好きな、あるいは関心のある作家が、会場にいあわせた場合、もしも、会場でカタログでも売っていれば、それを購入してサインをお願いするというアプローチの方法もあると思います。
こうして、美術知識ゼロからスタートしても、何ヵ月か半年か、あるいはせっかちな人は数週間で、一冊のスクラップブックが美術展パンフで満杯になるころ、いえ、別に満杯にならなくても結構ですが、あなたは、「見えない橋」を架けるための、自分の内部の美術フロッピーの「初期化」がどうやらすんだのでは?という感触をもてるはずです。
しかし、見方を変えれば、この不景気でも、画廊をオープンしているところは、それだけ、美術部門にも意欲をもち、力を入れているわけです。
ナビ