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学芸員
学芸員の資格は試験があるわけではなく、大学で所定の単位をとればいいだけですから、単位取得可能な大学に進学すれば資格じたいはそれほ
ど難しいわけではありません。
しかし、学芸員のポストは多くありません。そもそも美術館がそんなに多いわけでもありませんし、公立美術館・博物館のほとんどは赤字です
から、学芸員の定員も削られる傾向です。国立博物館でも学芸員は数十人、地方の公立美術館なら数名でしょう。経営が苦しいのは私立の美
術館も同じで、やはり学芸員は数名~十数名ていどでしょう。
こうしたポストは、だいたい有力大学が握っているというのが実情です。私立の美術館なら多少のコネ採用もあるとは思いますが、基本的には
有力大学の、有力な教授の推薦で採用が決まることが多いだろうと思います。
学芸員というのは、ただ展覧会の企画を立てたり展示作業をしているだけではありません。それぞれが専門分野をもった研究者ですから、論文
も書かなければなりません。
ですから有名大学(旧帝大や早慶クラス)で美学美術史を専攻し、大学院に進学し、しかるべき論分を書いて、教授や学会に実力を認められる
ことがとりあえず一般的なコースです。
このように、学芸員とは研究者である、というところが高いハードルなのです。学問的に一定の実力がなければ学芸員になれません。そのため
には、学問的に地力のある大学、大学院に進学することが必要になるでしょうね。
一般的な学芸員の採用は、市役所や県庁などの専門職枠か、それぞれの館の採用枠です。
専門職枠ですと、上級公務員試験の一般教養+専門試験、館採用枠ですとそれぞれの一般教養+専門試験、が多いかな?
一般教養は書店で参考書が買えますが、専門試験は参考書はないですね。
学芸員の資格は楽にとれますが、美術館学芸員に実際なるにはハードルが高いです。
大学院に通うほど毎日勉強している方なら試験に向けて特別な勉強をする必要はないと思います。
そういう環境で勉強してこれなかったのなら、まず難しいでしょう…。
本当に美術が好きで、毎日美術史の本を眺めて過ごすのが好きとかなら別ですが。。
美術史の本まるまる一冊暗記するぐらいしかなさそうです。
美術館の採用試験に応募してくる方は、大学院で美術史や考古学、民俗学を勉強してきた方だと思います。
国や地方公共団体の博物館・美術館であれば、公務員試験がありますので、それに合格すればよいのです。
募集している館はありますが、1名の募集に全国から何百人もの応募がある狭き門です。
ただし、学芸員採用だと、とんでもなく高倍率だと思います。
ですので、新卒で採用されるには学士(大卒)では無謀で、院を出ている必要があります。
毎年五千人弱位の人が学芸員資格を取得していますが、これからは修士過程を修了していることを取得の条件にしようという動きもあります。
他に学芸員になる手段としては、公務員試験に一般職で合格し、その中から必要に応じて学芸員資格を持っている人が博物館や美術館に配属さ
れる場合もあります。
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