絵画鑑賞
『絵画を鑑賞する上でみなさまが最大限に知的に楽しむために留意している点』はいくつかあります。
一つは,第一印象を大事にする。
作家の生きた背景や何を使って描いたかも大事ではありますが,絵は目の前にある物が絵です。予備知識によって目の前の絵が変わって見える
と本当の絵を見ることにはなりません。絵を見て最初に感じたものが貴方のその絵に対する絵画観・価値観になりうるのです。
二つ目は,他人の意見を鵜呑みにしない,と言うことです。
つまり誰がなんと言おうと自分はこう思う,こう感じると言うことを大事にする。よく『絵画の見方』とか『右脳で見る絵画』云々,のような
本が出まわっていますが,はてその本を書いた人はと著者を見てみると,まったく絵を描いたことも無いただの゜評論家゜の名前があるだけ
。
絵画は映画とは違います。映画は素人でも評論はできますが,しかし絵は絵描きにしか評論はできないと思っております。(実際絵を本や電波
によって論ずることは危険極まりないことですが)
しかしだからこそ,絵は貴方の考えや感じ方だけで十二分の楽しみ方になるはずなのです。
私が芸術を志して一番大事だなと感じたこと『一つの物事から他人よりもどれだけのことを考え・感じることができるか。それは絵を描く場合
でも,普段生活する上でも,人と会話する時も,TVのお笑い番組を見るときでさえも・・・すべての物事に懐疑的になり,なおかつ受け入
れまた疑うことを繰り返す』
大げさな話,凡人(芸術に関わりの無い人)が石ころを見て「三個の思い」を抱いたなら私は「無限の思い」を抱かなくてはならない,とまで
感じております。
殊に,絵画を見るとなると芸術に携わらない人であっても「奇怪な思考・突飛な考え」が浮かんでくるものです。
そんな中でこそ私はどう感じるか?という素直な気持ちが大切ではないでしょうか。
最後に,これが一番絵画の楽しみ方や絵画感・価値観を一変する方法があります。
あなた自身も絵や彫刻,デッサンを始めることです。
これは絵の見方が180度変わることもある,いたって簡単であり難解な方法であります。
もし,質問者様がすでに絵を描いたりすることがある方でしたら,二つ目に述べた『懐疑的思考』を大事にして絵を描いたり,また普段の生活
を送ってみることをお勧めいたします。
一番大事なことは絵画や彫刻を鑑賞する上で素人とは一歩違う、
他の視点や楽しみ方、鑑賞の方法 があるといった事から離れられてじかに作品と向き合うことが一番と思います。そのためにはいい作品を沢
山鑑賞されるとよろしいような気がします。
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