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フランソワ・ブーシェ

画家解説

フランソワ・ブーシェ(1703-70)フランス・ロココ時代、宮廷美術を代表する画家。シャルダンと同世代であるが、画風は対極にある。

父親は布地装飾の絵付師。父親の手ほどきの後、ルモワーヌに学ぶ。

1724年、大賞を得て、イタリアに学ぶ。帰国後、1734年、『ルノーとアルミッド』で、アカデミー会員となった。

ヴェルサイユ宮殿、フォンテーヌブロー宮殿などの装飾で活躍。晩年には、首席王室付画家となる。

【画家説明】
フランソワ・ブーシェ(François Boucher, 1703年9月29日 パリ - 1770年5月30日 パリ)は、フランスの画家、素描家、エッチング製作者。ロココを代表する画家であり、上流社会の肖像画や神話画などを描いた。多作家として知られ、生涯に1000点以上の絵画、少なくとも200点の版画、約10000点の素描を制作し、壁画装飾、タピスリーや磁器の下絵制作、舞台デザインの仕事をこなした。ブーシェのいとこの息子は新古典主義の代表的画家とジャック=ルイ・ダヴィッドである。18世紀フランスの美術愛好家ピエール゠ジャン・マリエットはブーシェの才能を高く評価し、「筆を手にして生まれた」、すなわち画家となるべく運命づけられた人間で、「我らがフランス画派にとっての大いなる名誉」であると絶賛している。

フランソワ・ブーシェ「農場」1752 年
ロココ時代に栄華を極めたブーシェによる作品。
遠見には、中央に描かれた水車小屋が主役のように見えますが、その手前、画面で言えば左下の部分に馬を連れた農夫が描かれており、水車小屋の窓からは女性が乗り出していて、さりげなく、農民の質素な営みが描かれています。俯瞰すると、風景画ですが、まるでバルビゾンのミレーを先取りしたかのような場面設定でもあります。ここに掲載する画面では良く見えませんが、実物はシャープで繊細なタッチで描かれており、画面左手から照射する陽の光が造る陰影によって、建物が浮きがって見えるほどの立体感が得られています。一見凡庸な画に見えますが、さにあらずで、印象派絵画をも先取りしたような光の表現が印象的です。

フランソワ・ブーシェ作「牧歌風景」


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